人間ドックはいつ行けばいい? 頻度や年齢とは

身体の状態を詳細にチェックする人間ドック。その必要性を認識していても、タイミングがつかめずに先送りにしている方は多いのではないでしょうか。
また、同じ年代の方がどれくらいの頻度で人間ドックを受けているのか気になる方もいるはずです。

こちらでは、各年代における人間ドックの頻度についてお話します。
身体に深刻な異常が現れてからでは病気の治療が難しい場合もあります。今回の内容を参考に、人間ドックを受けるべきタイミングを逃さないようにしましょう。

油断できない20代

20代の多くの方にとって、人間ドックは身近なことではないかもしれません。
一方で、近年の日本では食生活の欧米化により、若い方の身体にも生活習慣病の可能性が潜在しています。20代のうちに人間ドックで身体の状態をチェックしておくのは、決して慎重すぎる取り組みではありません。

20代半ばのタイミングで一度、血液検査、尿検査、呼吸器検査、腹部超音波検査、ピロリ菌感染チェックなどが含まれた人間ドックの「基本検査」を受けておくのがおすすめです。
また、女性の方は子宮頸がん検診を受ける方もいます。

徐々に検査の必要性が高まる30代

体力的には問題ないものの、徐々に病気のリスクが高まってくる30代。
実際に、「健康のために人間ドックを受けておこう」という方と、「まだまだ受ける必要はない」という方が混在しているようです。

男性・女性ともに結婚や出産といったライフタイムイベントをきっかけに人間ドックを受ける方が増加します。
30代はアルコールの摂取や仕事の多忙なスケジュール、ストレスなどの生活習慣による悪影響が現れやすい時期です。
可能であれば、今後のために2,3年に一度の人間ドックを習慣づけておくことをおすすめします。

病気リスクが急上昇する40代

40代には、糖尿病、胃がん、大腸がんなど病気のリスクが一気に高まります。
また、そのリスクを自覚する方も多く、人間ドックを受ける方の数が急激に増える年代です。

基本的な人間ドックはもちろんのこと、下部消化管内視鏡検査、がん検査などを適宜選択して受けましょう。女性の場合は女性用にカスタマイズされたレディースドックや更年期検査も奨励されています。

30代から数年おきの人間ドックを習慣化している方は、その取り組みを継続してください。それまで人間ドックを経験したことがない方は40代を機に検査をおすすめします。
病気のリスクが高い生活を送っている方は可能であれば毎年、健康な方でも2年に一度程度人間ドックを受けるのが好ましいでしょう。

定期的な人間ドックが求められる50代

40代以上に病気のリスクが高まる50代では、定期的な人間ドックが一般化しています。
基本検査のほかにも求められる検査が増えますが、すべての検査をオプションとし追加するのは困難です。そのため、自分の身体の問題を把握し、その箇所を重点的に検査する方が多いようです。

50代で選択されることが多いオプションとしては、がん検査(胃カメラ、大腸カメラ、肺CT検査など)、脳ドックなどがあげられます。また、50代の方の間では、誕生日など毎年訪れる時期を人間ドックのタイミングとして設定するのが一般的なようです。

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医