胃カメラのよくあるご質問

ほとんどの方にとって胃カメラは経験のない検査です。はじめて胃カメラ検査を受ける方は、多くの疑問点や不安を解消しておきたいポイントを抱えていることでしょう。

こちらでは、胃カメラ検査について患者様から寄せられることの多い質問とそれぞれへの回答をご紹介します。少しでも不安なく胃カメラ検査を受けるための情報としてお読みください。

Q1. 胃カメラ検査とは?

先端に小型カメラが搭載された内視鏡を用いて、胃内部の様子を観察する検査を上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)と呼びます。

内視鏡を使用した検査は、胃に対して実施する「上部消化管内視鏡検査」と、大腸に対して実施する「下部消化管内視鏡検査」に分けられます。一般的に胃カメラと呼称される検査は上部消化管内視鏡検査であり、口や鼻が内視鏡の挿入口となります。

Q2. 検査にはどれくらいの時間がかかりますか?

胃カメラの検査自体は5~10分程度で終了します。

また検査前に行う咽頭麻酔や前処置には20~30分程度の時間が必要です。

Q3. 経口内視鏡と経鼻内視鏡にはどのような違いがありますか?

経口内視鏡は口から胃へと内視鏡を挿入するため、曲がり角となる舌の根に内視鏡が接触します。

このことから、のどの奥に指を入れた際に生じるような「オエー」「ゲー」という嘔吐反射が起きます。この嘔吐反射は経口内視鏡検査を受ける患者様が感じるストレスの一因です。

経鼻内視鏡検査では鼻から胃へと内視鏡をとおすルートの関係上、舌の根に内視鏡が触れにくいルートになります。このことから、嘔吐反射は少ないと考えられています。ただし、鼻の内部に内視鏡を通過させるため、鼻出血が生じることもあります。

どちらの検査でも、医師の判断に応じて噴霧麻酔や静脈麻酔(鎮静剤)が使用されます。

Q4. 検査はどのような流れで進められますか?

胃の内部を観察しやすい状態にするため、検査前日夜から絶食をしていただきます。

前日は20時頃までに夕食を済ませ、以降はお水やお茶などを飲んで過ごしてください。当日の朝も絶食を継続していただきます。 検査前には胃内部の粘液をきれいにする薬を服用します。

また、経口・経鼻など内視鏡を挿入経路に応じて局所麻酔を使用します。身体を締め付けているものは可能な限りはずし、楽な服装で検査台に横になってください。

麻酔が効き次第、内視鏡を挿入していきます。医師や担当スタッフの指示に従い、無理に力もうとせずにリラックスを心がけてください。通常、検査は5~10分程度で終了します。

静脈麻酔を使用した場合は、麻酔の影響により眠気やふらつきが起きることがあるため、検査後約1時間程度は院内でお休みいただきます。検査後は撮影した写真・映像をもとに医師の診断・説明が行われます。

Q5. 検査後、どれくらいの時間がたてば食事できるようになりますか?

検査直後は麻酔の影響により食物を飲み込むとむせたり誤嚥したりする可能性があります。

30分~2時間程度経過すると麻酔の効果が弱まっていきます。検査後1時間ぐらい経過したら、はじめは水などを飲み、むせたりしないことを確認し、問題なければ食事をしてください。

検査の一環として胃の組織を採取した場合は、刺激のある食物や飲酒は避けてください。

Q6. 検査後に車の運転をしたいのですが……。

原則として、胃カメラ検査前後ともに当日の運転は控えていただきます。

とりわけ静脈麻酔(鎮静剤)を使用した場合は、その日一日、自動車をはじめバイク、自転車などの運転は厳禁です。

Q7. 胃カメラ検査は苦しいですか?楽に検査を受けるポイントは?

口、もしくは鼻から管を挿入するという検査の性質上、患者様には少なからずストレスを強いることになります。一方で内視鏡医療では患者様のストレスを軽減するための研究も行われており、現在は一昔前よりもご負担の少ない検査が可能となっております。

不快感や不安感を覚える患者様に対しては、検査前に静脈麻酔(鎮静剤)を使用する方法もご提案しております。

また、検査中はスムーズな内視鏡の挿入を促すためリラックスを意識していただくようご案内しております。口か鼻、どちらかふさがっていないほうでゆっくりと深呼吸をしてください。

挿入時の違和感はどうしても生じてしまいますので、その感覚だけに集中しないように心がけましょう。

Q8. 胃カメラは痛いですか?

挿入時の痛みを完全になくすことはできませんが、挿入部位に応じて麻酔を使用し、痛みを軽減することができます。

苦痛や不安感など精神的なストレスが強い場合は、静脈麻酔(鎮静剤)を使用することで対処可能です。

Q9. 胃カメラ検査で病気に感染することはありますか?

日本の医療機関は使用するごとに医療機器を洗浄・消毒したのちに次の検査で使用するガイドラインへの遵守が義務付けられています。

また、一部の処置具は毎回新しいものを使用するディスポーザブルタイプです。したがって、原則として内視鏡検査で患者様の病気が他の患者様に伝染する事態は考えられませんのでご安心ください。

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医