膵腫瘍

背中側のみぞおちの奥にある細長い臓器、膵臓の腫瘍(膵腫瘍)ができた場合は、お早めに墨田区両国の湘南メディカル記念病院・消化器内科までご相談ください。検査・診断の後、適切な治療を行います。こちらでは、膵腫瘍の症状や治療法について解説します。

膵腫瘍とは

膵腫瘍にはさまざまな種類があり、膵臓にできる腫瘍で最も多いのは浸潤性膵管がん(膵がん)で、膵腫瘍の8割がこれにあたります。

他にも膵管内乳頭粘液腫瘍(IPMN)という病気があり、膵臓内にのう胞のように発育、進行は緩やかな腫瘍は、10万人に1人の確率で発症すると言われています。また膵内分泌腫瘍といわれるタイプは、場合によっては急激に進行することもあります。すぐに手術する必要のあるものや、経過観察後大きくなっていたら手術をするものなど、さまざまなタイプがあります。

症状

膵腫瘍になった場合は、腹痛、背中の痛み、黄疸、体重減少、糖尿病が悪化するなどの症状が見られます。腹痛や背中の痛みなどの症状は、軽い上一時的であることが多いです。しかし2~3ヶ月後には再度症状が現れ、検査を受けてみると膵臓がんだったというケースがあるので注意が必要です。黄疸や体重減少といった全身への症状がある場合には、症状がかなり進行している可能性があります。

全身症状が出る前に気づきたいですが、背中やお腹の痛みは重大な病気ではないと考えて見過ごされがちです。整形外科領域の症状だと思われてしまうこともあります。背中に鈍い痛みを感じることが続く場合は、念のために内科や消化器科で検査してもらいましょう。

検査

膵臓を検査する場合は、まずはじめに腹部の超音波(エコー)検査やCT検査が用いられることが多いです。

腹部超音波(エコー)検査は、漠然と消化器症状がある人に対して行われ、胆石や肝臓、腎臓や膵臓などの一般的な消化器の病気がないかを確認します。検査をしても患者の体型や状態によっては膵臓があまり観察できないこともあります。

腹部超音波検査で診断しきれないけれど疑わしい要素がある場合は、CT検査が行われます。X線で体の内部を描き出し、臓器の状態や転移の有無などを調べます。

その他、判断に悩む場合などはMRI、超音波内視鏡検査、ERCP、MRCP、PETなどの検査も用いて診断されることになります。

治療法

膵腫瘍を治療する場合は、主に手術を行います。膵臓がんの場合はがん細胞を残さずに切除することを目的として手術が行われます。

以前は転移の有無にかかわらず、予防する意味で膵臓周辺の組織も摘出する拡大手術が行われていましたが、現在では拡大手術をした場合としなかった場合を比べても、転移への効果は変わらないことがわかったため、実施される機会が減りました。

腫瘍ができた位置によっても手術の方法は変わり、一般的に膵臓の右側「膵頭部」にできた場合は膵頭十二指腸切除術、左側の「膵体尾部」にできた場合には膵体尾部切除が行われます。

少しでも不安があれば検査を受けましょう

はじめのうちは症状が軽いので見過ごされてしまいがちな膵腫瘍ですが、がんである恐れもあり、放置するのは大変危険です。少しでも不安があれば消化器内科のある病院で診てもらうことをおすすめします。

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医