虫垂炎

墨田区両国の湘南メディカル記念病院・消化器内科では、虫垂炎に関する相談をお待ちしております。少しでも気になる症状があれば、お気軽に当院へとお越しください。こちらでは、消化器の疾患のひとつである虫垂炎についてお話します。

虫垂炎とは

虫垂炎とは、虫垂に炎症ができている状態を指します。虫垂は、右下腹部に位置している盲腸から突出している細長い器官です。虫垂炎は従来「盲腸」もしくは「盲腸炎」と呼称されていましたが、これは治療の遅れにより、開腹したときにはすでに盲腸まで病変が広がっていたことが多かったためです。

症状

虫垂炎の代表的な症状は以下のようなものです。

腹痛

発症初期にはみぞおちの部分に痛みを感じます。痛みには波があり、徐々に右下腹部に移動してくるのが一般的です。

発熱

37~38℃の微熱が出ます。高熱になる場合は、穿孔性腹膜炎や膿瘍形成を併発している可能性がありますので、さらに注意が必要です。

吐き気・嘔吐

虫垂で起きた炎症が他の消化器にもダメージを与えてしまうため、他の消化器の疾患でも一般的な吐き気・嘔吐の症状が起こり得ます。

下痢

腸内の機能低下により下痢が起こることもあります。

検査

虫垂炎の検査では血液検査が広く用いられています。虫垂に炎症が起きている場合、血液中の白血球数が異常に多くなります。また、白血球数から炎症の度合いを把握することもできるため、治療の指針を決めるうえでは重要な検査です。一方画像検査として超音波検査やCT検査を行い直接、虫垂の腫大や浮腫、周囲の膿瘍形成などを調べます。

治療法

虫垂炎は進行度に応じて「カタル性虫垂炎」「蜂窩織炎性虫垂炎」「壊疽性虫垂炎」の3段階に分けられています。このうち、最も症状が軽いのが「カタル性虫垂炎」です。この段階であれば多くの場合、抗生物質による保存的な治療を行います。いわゆる「薬で散らす」という治療です。

一方、蜂窩織炎性虫垂炎、壊疽性虫垂炎の治療では手術が必要となるケースがあります。症状が軽い場合は、腹部に開けた小さな穴から小型カメラと器具を挿入し、虫垂を切り取る腹腔内視鏡手術が行われます。しかし、虫垂組織の壊死が始まっているなど状態が悪い場合は、従来のように開腹手術が選ばれます。

虫垂炎には早めの処置が肝心

初期段階の虫垂炎は、それほど危険な疾患ではありません。しかし、進行度に応じて症状も強くなり、大掛かりな治療が必要となってしまいます。いち早く初期症状に気づき、処置を行うことが大切です。

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医