機能性胃腸症

機能性胃腸症は実態がつかみにくい消化器の疾患です。少しでも気になることがあれば、早めのご来院をおすすめします。こちらの疾患の概要について、墨田区両国の湘南メディカル記念病院・消化器内科がお伝えします。

機能性胃腸症について

胃腸炎のような症状が現れているのにもかかわらず、胃腸内部に炎症などが見つからない場合があります。従来はこのような場合も胃腸炎として分類されていましたが、現在では機能性胃腸症という名称で通常の胃腸炎とは分けて考えられています。機能性ディスペプシアという呼称も一般的です。

機能性胃腸症を引き起こす要因は明らかになっていませんが、精神的なストレス、暴飲暴食による食生活の乱れ、生活習慣の乱れなどが主な原因と考えられています。胃腸はもともと外部のストレスによる悪影響を受けやすい器官のひとつです。家庭や、ビジネスでストレスを感じやすい日本人は特に、機能性胃腸症を発症しやすいことがわかっています。

症状

機能性胃腸症の症状は、「食後愁訴症候群」「心窩部痛症候群」の2タイプに分類されています。

食後愁訴症候群

主に食後にお腹が張ったり、違和感が出るタイプの機能性胃腸症です。具体的な以下のような症状がこちらに分類されます。日本人の機能性胃腸症では、最も多いタイプです。

すぐにお腹がいっぱいになり、通常の食事を摂取するのが難しい

すぐにお腹がいっぱいになり、通常の食事を摂取するのが難しい

食事の量にかかわらずお腹が膨れている感覚(膨満感)

食事の量にかかわらずお腹が膨れている感覚(膨満感)

胃もたれ感

胃もたれ感

心窩部痛症候群

みぞおちの辺りに痛みを感じるタイプの機能性胃腸症です。以下が代表的な症状です。

みぞおちに痛みを感じる

みぞおちに痛みを感じる

みぞおちに焼けるような感じがある。

みぞおちに焼けるような感じがある。

検査

症状に応じて、内視鏡検査、腹部X線検査、超音波検査、血液検査などが選ばれます。胃腸内部に病変が見られないのにもかかわらず、上述したような自覚症状が出ている場合、機能性胃腸症と診断される場合があります。また、心理的なストレスが起因していると考える場合、心理テストを行い、その結果を診断の資料とすることもあります。

治療法

胃腸の機能を回復させるための薬物治療が中心です。胃腸の運動を活発化させる運動機能改善薬、胃酸の分泌を抑える胃酸分泌抑制薬などが用いられます。心理的ストレスが原因として考えられる場合、心療内科の先生と連携して抗不安薬も併用することもあります。

誰にでも起こり得る病気

機能性胃腸症は決して珍しくはなく、誰にでも起こり得る病気です。特にストレスを感じやすい日本人にとっては、身近な疾患といえるでしょう。

早期治療のためには、自覚症状が出たらなるべく早い段階で医療機関にご相談ください。当院の消化器内科では生活習慣の改善方法も含めたアドバイスを提供しております。お気軽にご来院ください。

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医