感染性腸炎

微熱と同時に起こる下痢、腹痛、吐き気、嘔吐といった症状は、感染性腸炎の可能性があります。こちらでは、代表的な消化器疾患のひとつである感染性腸炎について、墨田区両国の湘南メディカル記念病院・消化器内科がお伝えします。

感染性腸炎とは

感染性腸炎とは、細菌・ウイルス・寄生虫といった原因によって引き起こされる腸内の炎症です。原因菌に侵された食物を経口摂取することによる感染が一般的ですが、人から人、動物から人といった感染ケースもあります。食品、飲料が原因となる場合、同じものを口にした人々が集団感染することも珍しくありません。

原因菌としてはサルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、大腸菌などが代表的です。ノロウイルスや小児に感染するロタウイルスもあります。中でも、近年のノロウイルスによる発症数増加は問題となっています。生牡蠣などを食べる際は注意が必要です。

症状

下痢、腹痛、吐き気、嘔吐といった症状が一般的です。また、多くの場合、38℃以下の微熱を伴います。症状が強い場合、38℃以上の高熱や血便が出ることもあります。

ウイルスを原因としている場合、強い吐き気・嘔吐症状が特徴的です。一方、寄生虫を原因としている場合は、下痢が長期間におよぶ傾向があります。

また、ギラン・バレー症候群、溶血性尿毒症(ようけつせいにょうどくしょう)症候群、脳症といった消化器以外の症状を併発する場合もあります。

検査'

糞便を採取し、原因菌の有無を調べる検査が一般的です。血液検査による検査を行うこともあります。

血便や下痢が長引いている場合、内視鏡を用いて腸内の様子を詳しく調べることもあります。

治療法

腹痛、下痢、嘔吐といった消化器の症状に応じて、治療薬を使用した対症療法を行います。感染性腸炎は自然治癒傾向が強く、対症療法だけで症状が収束していくケースがほとんどです。一方で、症状が重篤な場合や、小児・高齢者の治療などでは抗生物質を使用して原因菌を撃退することもあります。また、治療中は消化のいいものの摂取を心がけることなります。消化器へのダメージが強い場合、絶食が必要となることも少なくありません。加えて、水やスポーツドリンクなどで常に水分補給を行うことが、早期治療や脱水症状回避のポイントです。

油断は大敵!感染性腸炎が発症したらすぐに病院へ

自然治癒傾向が強い感染性腸炎ですが、医療機関に頼らず自力で治そうとするのはお勧めできません。深刻化して消化器以外にも症状が出てしまう可能性があるのはおろか、周りの方に感染してしまう可能性もあります。

感染性腸炎と思われる症状がある場合は、すぐに当院の消化器内科にお越しください。検査スケジュールに空きがあれば、即日での検査にも対応できます。急な症状の場合も、まずはご相談ください。

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医