胃腸炎

下痢や吐き気、嘔吐、腹痛などの症状は、胃腸炎の可能性が疑われます。消化器官の疾患のひとつ「胃腸炎」について、墨田区両国の湘南メディカル記念病院・消化器内科がお伝えします。

胃腸炎とは

胃腸炎とは、胃と腸に炎症が引き起こされる疾患です。胃のみに炎症が起きている場合は胃炎、腸のみに炎症が起きている場合は腸炎と呼ばれます。

発症の原因はさまざまですが、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、ロタウイルス、ノロウイルスなどに代表される細菌やウイルスによるケースがほとんどとなっています。寄生虫が生息している食物や毒キノコ、化学物質によって汚染された食物を摂取することによって発症することもあります。

いわゆる食中毒と呼ばれている疾患も、胃腸炎のひとつです。

症状

原因菌に応じた潜伏期間の後、症状が現れます。多くの場合、潜伏期間は1~3日程度です。

細かな症状は原因菌によって異なりますが、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛といったものが代表的です。発熱、体の疲労感といった全身症状が現れることも珍しくありません。

また、治療が長引いてしまうと下痢・嘔吐によって脱水症状や電解質喪失症状が引き起こされることもあります。

検査

体内に侵入したウイルス・細菌を調べるために、採取した糞便を調べる検査が一般的です。血液検査、呼気の検査が行われる場合もあります。ほとんどの検査は結果がわかるまでに2~10日ほどの日数を要します。

内視鏡により胃腸の内部を調べる方法もあります。内部を詳しく確認できるため、胃腸炎の検査方法としては最も確実です。

治療法

腹痛、嘔吐、下痢といった症状に合わせ、薬を使用した対症療法を行います。下痢に対しては、整腸剤、嘔吐に対しては制吐薬、腹痛に対しては鎮痙(ちんけい)薬が用いられます。重度の下痢の治療では止痢薬をを用いることもあります。また細菌感染が疑われる場合には、抗生物質の投与も考慮されます。

食事では消化のいいものを食べることが奨励されています。刺激の強いもの、辛いもの、脂質の多いもの、アルコールなどの摂取は厳禁です。また、腹痛が激しい場合や血便が出ている場合などは、絶食をして様子を見ることもあります。

治療中は脱水症状の回避に務める必要があります。経口摂取による水分補給が可能であれば、水やスポーツドリンクなどを絶えず補給するのが大切です。

「胃腸炎かも?」と思ったらすぐに医療機関へ

胃腸炎と思われる症状が現れたら、水分補給を行い、脱水症状を回避してください。水分の経口摂取や食事が難しくなってくる場合もありますので、速やかに医療機関へと足を運びましょう。

当院の消化器内科は、検査に空きがあれば即日の検査にも対応しております。急に症状が出た場合も、まずはご相談ください。

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医