人間ドックで見つかりやすい 病気の種類

人間ドックでは、企業で定期的に行われている健康診断よりも詳細に身体を調べます。
健康診断では見つからなかった病気が見つかることも少なくありません。
こちらでは、人間ドックで見つかりやすい代表的な病気をご紹介します。

動脈瘤

腹部超音波検査では、腹部の動脈瘤を見つけられます。動脈瘤は、動脈硬化や血栓(血液の凝固によるつまり)によってダメージを受けた動脈がコブ状に膨らんでしまう病気です。高齢、喫煙している、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった条件にあてはまる方が発症しやすく、とりわけ男性の発症者が目立ちます。

同じようにコブ状の膨らみが脳の動脈に出現する「脳動脈癌」という病気もあります。こちらは、脳MRIや脳MRAといった検査を実施する「脳ドック」をオプションとして追加することで発見可能です(ただし、当院ではこちらの検査は承っておりません)。

不整脈

心電図検査では心臓の電気的信号が書き出され、可視化されます。
このことから、心電図検査では心臓に異常な拍動が起きる不整脈が発見できます。

不整脈は心臓が異常な動きを起こしている状態の総称であり、心電図検査の結果によって病気を判別します。
狭心症や心筋梗塞などは、速やかに対処すべき危険な不整脈です。
健康な方でも不整脈を起こしているケースは少なくありませんので、心電図検査によるチェックは重要です。

肝炎

血液検査の項目で、各種ウイルス性肝炎を検知することができます。
日本において罹患率が高いのは、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎です。
どれも短期の肝臓における炎症である急性肝炎を引き起こしますが、B型とC型は症状が慢性的になる慢性肝炎に発展することも多いと考えられています。
これらのほか、アルコールの過剰摂取によって起こりやすいアルコール性肝炎も日本人の発症が増えています。

B型肝炎に感染している、もしくはした経験がある場合は、血液中に「HBs抗原もしくはHBs抗体」、C型肝炎に感染した経験がある場合、血液中に「HCV抗体」という抗体が存在しています。
人間ドックの血液検査では、オプションでHBs抗原、HBs抗体やHCV抗体の有無を調べることも可能です。

痛風

痛風は血液に含まれる尿酸が起因する病気です。尿酸が増え結晶化されると、耐え難い関節痛を引き起こします。尿酸は食物から摂取される「プリン体」という物質から生成される老廃物です。
プリン体はレバーや白子、アルコールなどに多く含まれています。

人間ドックの血液検査では、血中の尿酸値がわかります。尿酸値が通常に比べて高い「高尿酸血症」は、痛風の予備軍とも言える状態です。
普段からアルコールを飲酒している方や高プリン体食品を食べることが多い方は、人間ドックで尿酸値を把握しておくのがおすすめです。

がん

人間ドックでは多数のがんを発見可能です。検査と発見できるがんの組み合わせを以下にご紹介します。

  • 胃バリウム検査・上部消化管内視鏡検査(胃カメラ):胃がん
  • PSA検査:前立腺がん
  • 胸部X線検査、胸部CT検査:肺がん
  • 便潜血検査・大腸内視鏡検査:大腸がん
  • マンモグラフィ検査・乳腺エコー検査:乳がん
  • 子宮頸部細胞診:子宮頸がん
  • 腹部超音波検査:肝臓がん、胆のうがん、膵臓がんなど

ご紹介したがんの中には、健康診断だけでは見つけづらいものもあります。
人間ドックにオプションを適宜追加し、身体のがんを見逃さないようにするのが大切です。
全身のがんをチェックできる「PET検査」というオプションもあります。(ただし、PET検査は当院では承っておりません)

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医